高尿酸血症とは
栄養過多などによって内臓に脂肪が溜まっていくことにより、血液中に含まれる尿酸の量が多くなってしまう病気です。内臓脂肪によって産生された遊離脂肪酸が肝臓に運ばれることにより、プリン体の代謝が過剰になり、尿酸値が高まっていくのです。
この尿酸は、血液中の濃度がそれほど高くない状態のときは特に痛みなどの問題を起こしません。しかし、7㎎/dl以上の状態が長く続くと、結晶化した尿酸が足の指などの関節に蓄積されていき、激痛を伴う痛風になってしまいます。
痛風の発作が起こったときは
痛風は血液に含まれる尿酸が増えるにつれて発症リスクが高まっていきます。従って、定期的に健康診断を受け、尿酸値があまり高くない段階から治療や予防を行っていくことにより、急な発作リスクを軽減できます。
しかし、適切な治療を受けず、突然、痛風の発作が起こってしまうこともあります。その場合は、患部を高い位置(椅子の上など)に引き上げ、患部を冷やします。なお、発作の起こった部位は安静にしておかなければなりません。痛いからといって、マッサージなどを行うのは非常に危険です。
通常、最初の発作が起こってから24時間以内に痛みのピークがきます。その後、徐々に痛みが引いていき、1週間程度で目立った症状はなくなります。しかし、高尿酸血症の状態が解消したわけではありません。再び痛風発作が起こらないよう、最初の痛みが出た段階で応急処置を行い、出来るだけ早く医療機関を受診するようにして下さい。
このような方は注意が必要です
- プリン体の多い食品(レバー、エビ、魚の干物、肉類)をよく食べる
- お酒(ビールなど)を飲み過ぎることがある
- 清涼飲料水をよく飲む
- 激しい運動をすることがある
- 30歳以上の男性(全体的に尿酸値が高めです)
- 内臓肥満が蓄積している
- ストレスを感じることが多い
- 血縁者に痛風の人がいる
- 水分をあまり飲まない
など
高尿酸血症の薬物療法
高尿酸血症の治療にあたっては、食事の改善とともに、薬物療法が中心となります。主に尿酸降下薬を服用し、尿酸をコントロールします。
なお、尿酸降下薬は痛風発作そのものを抑える効果はありません。しかも、痛風という病気は、発作が起こっている最中に尿酸値を下げようとすると、かえって病状が悪化することがあるのです。そのため、尿酸降下薬は痛風発作が収まってから、患者さまの症状を見極めて使用します。
尿酸をコントロールするには、ある程度の時間が必要ですし、その間の薬の副作用なども見極めて治療を進めていく必要があります。自己判断で服用を止めたり、痛風発作が起こりそうになって服用を再開すると危険が伴いますので、必ず主治医の判断に従うようにして下さい。